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行列に割り込む

ファスパというサービスの名称はたぶんファスト・パスの略称だろう。
写メを送れば薬局で「順番待ちをスル―」できる、と謳っている。
これに倫理的な問題点がないか、考えてみる。

空港の手荷物検査所にできる長い行列は苦痛だが、ファーストクラスのチケットを購入した人たちは、優先レーンを利用して検査待ちの長い行列の先頭に並ぶことができる。
残念だが私はビジネスクラスさえ利用できない貧乏人だ。
最近はエコノミークラスのチケットでも39ドル(ユナイテッド)や3ポンド(イギリス・ルートン空港)の追加料金で行列の先頭に並ばせてくれるオプションもあるそうだが、それを利用することに私は抵抗がある。
航空会社に高い金を払い足元の広さを買うのは自由だが、そのことと、国が行う手荷物検査(公共の安全)とは関係がない。薬局は公共の安全のためにある「処方せん鑑査所」だ。
渋滞した高速道路の路肩を走り抜ける車を横目で見ながら、自分はするまい、と思う。
東京ディズニーランドのファストパスをヤフオクで売買するのはいかがなものかと思う。

ファスパはスマホから写メを送るだけであって、違法でないし、カネで順番を買うわけではない。しかし、誰もがスマホで写メを送れるわけではないから、薬局で待っている大勢のお年寄りを目にしたとき、それを自分が飛び越えてしまうことをどう考えるだろうか。
PCやインターネットなどのIT(Information Technology、情報技術)を活用する能力( 情報リテラシ)の有無や、ITを利用する機会の違いによって、経済的または社会的な 格差が生じることをディジタルデバイド(Digital Divide)と言う。
薬剤師は「公正」である、薬局は「公平」である。
混雑時の順番は患者の貧富、年齢、性別、人種により左右されない。
では、ディジタルデバイドはどうか?