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薬学教育の空白

大学病院に勤める姪(薬剤師)がこぼしていました。
新人(6年制教育の第一期生)がいろいろ尋ねるてくるのですが
「少しは自分で考えてみろ!」と彼女は言います
そういえば2年前に大学から「考えるとはどういうことか」の講義を依頼されたことがありました。


国家試験、OSCY、CBT(実務実習に入る条件として課せられる試験)とは無縁の一般の大学、
特に社会学系では
学生が知識を得て理解し、自分なりの考えにどこまで至ったかが問われます

ところが薬学教育は
たんに暗記をしたり問題を解くといったことが増えてしまい、自分で調べてレポートを書いたりゼミで報告したりするといった自学自習的な作業が少なくなっています。

社会薬学の問題に関する小論文が、考える力を向上させます。これまで原稿用紙数枚の感想文を書くのにも苦労していたのに、 まがりなりにも学問的な知識に基づいた小論文を一時間あまりでまとめなければならない、という作業は学生には難問です、

しかし、そうした要求をするからといって、学び始めた人に対して教員が「読み書き討論」の仕方を系統的に教えてくれるわけではないし、何を読めばいいのか、どう書けばいいのか、いかに報告すればいいのか
自分自身がそうであったように、学生や若い薬剤師は自力で試行錯誤しなければ意味がありません。

ここで多くの人たちがとまどってしまうのは当然で、
大学に入るまでにそうした教育とトレーニングをほとんど受けていません

さらに悪いことに、数学、理科(化学、物理、生物から1-2科目)、英語という範囲の少科目入試に過剰適応する受験スタイルをとってしまうために
「現代文」や「現代社会」を早々に捨て科目にしてしまう人が多く、日本語の読み書き能力自体が高校一年生程度にとどまっているためでもあります。

この場合、教員は学生を責めるわけにはいきません。
学生は受験制度に適応しただけであり、そういう入試を課したのは大学側だからです。

嘆いてばかりもいられませんから、せめて薬局に来る実習生には考えてもらいましょう。