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ホルミシス作用

いかに素晴らしいところか、聞かされて行ってみると落胆することがありますが、
もともと「それなりだよ」と聞いていれば、逆に「意外に素敵」と思えることがあります

ウチの家族の休日は、いつもそんな感じで昨日も得した気分でした
三浦半島にある古いホテル、午前11時から午後2時までお部屋が使えて、風呂からも、部屋からも真正面に富士山が見えます
食事もなかなかで、これで一人4000円はお得でしょう

何よりの収穫は「ホルミシス」について知る機会があったことです。家族の宴会は、フクシマの原発事故とホルミシス(低線量の放射線は健康に良い)の議論で盛り上がりました。「放射線ホルミシス」リンク

「服用前に説明書をよく読んで」と、ふだんから言っている身ですから、温泉に入る前には壁に貼ってある説明をよく読みます。
昨日の温泉は「人工ラドン泉」でした。脱衣場の掲示物は、ラドン泉発生器メーカーが作ったもので、公印を捺した法定の書式と異なります。だから、余計に興味深いものでした。
「本湯の誕生の源は・・・・」
ここまで読んでプッと吹き出してしまい、思わず息子たちを呼びました。
・・・の部分にはふつう、「延暦12年(793年)、ナンタラ大師が山中で修行されていたときのこと、傷ついた鹿が川に入っているのをご覧になり、不思議に思って川底を掘ってみると・・・」と続くのですが、人工温泉の場合はここに「健康言説」が書かれており似非科学の集大成のような文章でした。

相模灘の向こうに富士山を望む露天風呂にも、
図解の付いた温泉の説明が張られていて、これを読みながら息子たちと入浴です。
免疫賦活作用やイオン作用、抗菌作用など、健康に良さそうな「作用」の一つとして「ホルミシス作用」が書かれています。

僕の興味は健康、医療にかかわる神話です。
健康に良いとされるモノには、サプリと並んで温泉があります。
人々がこれほど温泉に惹かれるのは「健康に良い」といわれるからです。

そして、温泉はたいてい神話(開湯伝説)を持っています
以下 wikiより
「開湯伝説が創られる理由として、口頭説明に信憑性をもたらすためだとしている。すなわち、口先で旅人が語っても、なかなか相手に信じてもらえないが、それを敢えて鳥獣が傷を癒しているの見た、あるいは著名な武将や高僧、記紀の英雄らが発見したとフィクションを加えることで、相手をそのように思いこませる説得手段であるという。つまるところ、開湯伝説の大半はフィクションであり、実際の発見者は近郷の農民、杣人などが多い。

その開湯伝説の目的は、いわゆる「おらが湯」の宣伝活動に因るところが大きい。今日でも各温泉地において、この開湯伝説が盛んに喧伝されているのはこのためであり、この傾向は江戸時代やそれ以前から見られた。・・・・」

したがって、情報化が進んだ今日のようにボーリングで開発される温泉では、開湯伝説が存在することは稀である。今日の場合、例えば吉井温泉のように温泉開発者が神のお告げを夢で見た・・・」

参照
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%96%8B%E6%B9%AF%E4%BC%9D%E8%AA%AC

風呂場の掲示が興味深いのは、この開湯伝説を健康言説(似非科学)に置き換えている点です。

「これを変だと指摘する客はいなかったのだろうか。客にはいないとしても、鉄道会社の経営するホテルだから、一人くらい大学を出たひとがいるだろう」
と私が言うと、息子「お父さん。読みが足りないよ。これは客を愉しませるために貼ってあるんだ。」 なるほど、おかげで久しぶりに息子たちとの会話を愉しむことができました。